患者さま向け

安心、安全な質の高い医療の提供を目指して

放射線科の紹介

放射線科では、24時間365日いつでも検査に対応できる体制を整え、最高の画像を提供することを常に心がけて検査しています。

患者さまに寄り添って真心こもった接遇を行い、安全に十分配慮した質の高い検査を行っていけるよう日々精進しています。

取得資格一覧(2023年4月現在 在籍技師数:男性7名、女性2名)

資格名取得者数
第1種放射線取扱主任者1名
肺がんCT検診認定技師1名
胃がん検診専門技師2名
臨床実習指導教員2名
放射線管理士2名
放射線機器管理士2名
アドバンスド診療放射線技師1名

放射線検査について

放射線検査は安全なのか?

「放射線」と聞くと「癌になる」「恐ろしい」といった負のイメージを先に思い浮かべる方も少なくないでしょう。
これは、メディアからの偏った情報が原因の一つではないかと思います。

実は、検査で用いる微量な放射線による癌などの誘発は、疫学的に明らかにされていません。
むしろ、喫煙などの生活習慣によるリスクの方が高いとさえ考えられています。
偏った情報を鵜呑みにしてしまい、検査の機会を逃さないようにしましょう。

私たち診療放射線技師は、皆さまに安心かつ安全な検査を提供できるように、各医療機器の日常点検はもちろん、メーカーによる定期点検も実施しています。
また、被ばく管理においても検査時線量の安全確認を行っています。
被ばくについて不安な方は、放射線科スタッフまでご相談ください。

放射線検査のメリットは?

病気やケガの多くは、早期発見・早期治療することが非常に大切です。

放射線検査を行うことで、
「頭や身体の中に出血や病気はないか?」
「骨折などのケガや病気はないか?」
といった評価ができ、今後の治療方針決定に大きく貢献します。
また、「病気やケガがない」ことが分かれば、精神的な不安を取り除くことにもつながります。

放射線検査は痛みや苦痛を伴わず、皆さまに安心して受けていただける検査です。

これから、当院で使用している各検査機器の特徴を簡単に紹介します。
たくさんのメリットを理解していただけると幸いです。

一般撮影装置

どのような特徴があるの?

一般撮影は最も多く行われる画像検査であり、いわゆるレントゲン撮影のことです。
微量な放射線(X線)を用いて、胸部・腹部の様子や全身の骨折の有無など様々な情報を得ることができます。

当院は、2019年に全国労働衛生団体連合会より、胸部X線検査分野において最高評価である「評価A」を取得し、長崎県内で3番目の登録施設となりました。
引き続き撮影技術の向上や精度管理に取り組み、安心な検査を提供します。

検査に要する時間は?

撮影枚数にもよりますが、数分程度で検査できることがほとんどです。
当院では、2022年7月より一般撮影装置を増設しました。
2台体制で効率良く撮影を行うことで、以前よりも検査の待ち時間を低減しています。

検査を受けるにあたり注意することは?

妊娠中またはその可能性がある方は、事前にスタッフへお申し出ください。

撮影範囲に金属類やプラスチック等があると、正確な撮影ができません。
そのため、以下のようなものは外していただく場合がありますので、ご協力お願いします。

  • ボタンやチャックがついた衣類やベルト
  • 腕時計、ネックレス、ブレスレット、指輪などのアクセサリー類
  • 金具やプラスチックがついたブラジャー・キャミソールなどの下着類
  • 湿布、カイロ、エレキバンなど
患者さまには、検査部位ごとに撮影に適した姿勢をとっていただきます。
なるべく短時間で撮影が終わるように心がけています。

CT装置

どのような特徴があるの?

CTとは「Computed Tomography」の略で、「コンピュータ断層撮影」と呼ばれる検査です。
X線を身体の周りから照射し、身体を輪切りにしたような断層画像を得ることができます。
一般撮影に比べて被ばく量は増えますが、体内の詳細な情報を多く得ることができます。

お薬などを使うの?

CT検査は「単純撮影」と「造影撮影」に大きく分けることができます。
単純撮影は、お薬などを使用せずに撮影する検査です。
造影撮影は、注射をして「造影剤」というお薬を血管内に入れて撮影します。

造影剤を使用すると、多くの病気や臓器・血管がより見やすくなるという特徴があります。
ただし、単純撮影の方が見やすい病気もあり、目的に応じた適切な検査を行います。

どのような病気が分かるの?

ほんの一例に過ぎませんが、CT検査の適応部位と代表的な疾患を以下に挙げます。

  • 頭部・・・脳出血、くも膜下出血、外傷など
  • 脊椎・・・圧迫骨折、外傷など
  • 頚部・・・腫瘍、炎症など
  • 胸部・・・肺がん、肺炎、乳腺腫瘤など
  • 腹部・・・肝臓・胆のう・膵臓・腎臓・副腎・小腸・大腸・直腸などの病変
  • 骨盤・・・子宮・卵巣・膀胱の病変
  • 四肢・・・軟部腫瘤、骨折など
  • 血管・・・動脈解離、動脈瘤、血管狭窄など

検査に要する時間は?

単純撮影は、更衣や画像作成を含めて5~10分程度です。
造影撮影は、注射をする必要があるため20分程度かかります。

検査を受けるにあたり注意することは?

妊娠中またはその可能性がある方は、事前にスタッフへお申し出ください。

検査部位によっては、10秒程度の息止めが必要な場合があります。
ただし、息止めが難しい場合でも検査は可能ですのでご安心ください。

撮影範囲に金属類等があると、正確な撮影ができません。
そのため、以下のようなものは外していただく場合がありますので、ご協力お願いします。

  • チャックがついた衣類やベルト
  • ヘアピンやウィッグ、取り外しのできる入れ歯
  • 腕時計、ネックレス、ブレスレット、指輪などのアクセサリー類
  • 金具がついたブラジャーなどの下着類
  • コルセットなどの装具

MRI装置

どのような特徴があるの?

MRIとは「Magnetic Resonance Imaging」の略で、「磁気共鳴画像診断」と呼ばれる検査です。
放射線ではなく「磁石と電磁波」を用いることで、一切被ばくすることなく身体を輪切りにしたような断層画像を得ることができます。
また、造影剤などのお薬を使わずに血管を画像化できることが特徴的です。
なお、痛みを伴わないため安心して検査を受けていただけます。

どのような病気が分かるの?

ほんの一例に過ぎませんが、MRI検査の適応部位と代表的な疾患を以下に挙げます。

  • 頭部・・・脳梗塞、動脈瘤、血管狭窄、微小出血など
  • 脊椎・・・圧迫骨折、椎間板ヘルニアなど
  • 頚部・・・甲状腺腫瘍など
  • 腹部・・・肝臓・胆のう・膵臓などの病変
  • 骨盤・・・前立腺や子宮・卵巣などの病変
  • 四肢・・・関節の靱帯、関節液の状態など

検査に要する時間は?

概ね30分程度ですが、検査部位や内容によっては更に時間を要する場合もあります。
また、検査中は装置付属のベッド上で横になり、動かないようにしていただきます。
動いてしまうと再度撮像しなければならず、その分追加で時間がかかりますのでご注意ください。

検査を受けるにあたり注意することは?

以下に該当する方は、必ず事前にスタッフへお申し出ください。

  • 検査ができない可能性がある方

     →妊娠中またはその可能性がある方

     →体内に人工物(ペースメーカー、埋込型除細動器、人工内耳など)がある方

  • 場合によっては、検査ができない可能性がある方

     →体内に人工物(人工関節、脳動脈瘤コイル・クリップなど)がある方

     →歯列矯正中の方(治療中の病院に問い合わせが必要)

     →入れ墨がある方

     →閉所恐怖症の方

     →30分程度動かずに横になるのが難しい方

撮像範囲に関わらず、金属類や発熱する材質等の持ち込みができません。
そのため、以下のようなものは外していただきますので、ご協力お願いします。

  • チャックがついた衣類やベルト
  • ヒートテックやエアリズムなど人工繊維の肌着
  • カラーコンタクト、化粧、日焼け止めクリーム、制汗剤
  • ヘアピンやウィッグ、取り外しのできる入れ歯
  • 腕時計、ネックレス、ブレスレット、指輪、ピアスなどのアクセサリー類
  • 金具がついたブラジャーなどの下着類
  • コルセット、補聴器など
  • スマートフォン、財布、カード類

検査中は、工事音のような大きな音が鳴ります。
騒音低減のため、備え付けのヘッドホンや耳栓を着用していただきます。

マンモグラフィ装置

どのような検査なの?

マンモグラフィは、乳房専用のX線撮影のことです。
乳房を装置で圧迫し、薄く伸ばした状態で撮影します。
圧迫することで乳腺が広がり、病変がより鮮明に観察可能となります。
また、触ってもしこり等が分からないタイプの乳がんでも画像で見つけることができます。

当院の特徴は?

2021年5月の新築移転に合わせてマンモグラフィ装置を稼働し、予約制で乳がん検診及び乳腺外来を行っています。
マンモグラフィ撮影室は当院2階の婦人科待合室に隣接しており、全ての方の撮影を女性の診療放射線技師が行います。
当院は「J.M.S(ジャパン・マンモグラフィ・サンデー)」に賛同しています。毎年10月の第3日曜日にも撮影日を設け、平日の受診が難しい方でも検査を受けていただけます。

検査を受けたい場合は?

乳がん検診及び乳腺外来は、いずれも予約制です。
受診を希望される方は、下記にお問い合わせください。
なお、いずれも受付時間は月曜~土曜の9:00~16:30です。

  • 乳がん検診:095-813-5820
  • 乳腺外来:095-813-5800

検査に要する時間は?

撮影枚数にもよりますが、15~20分程度で終了します。

検査を受けるにあたり注意することは?

以下に該当する方は、予約の際にスタッフにお申し出下さい。

  • 妊娠中またはその可能性がある方
  • 乳房全摘出された方
  • 豊胸手術を受けられた方

生理前や生理中でも検査は可能です。

授乳中は乳腺組織が発達しているため、検査精度が劣り、病変の発見が難しくなります。
ただし、授乳中であってもしこりが増大している等の自覚症状がある場合は、お問い合わせ下さい。

なお、生理前や授乳中の方で乳房に張りがある場合は、圧迫した際に痛みをより感じることがあります。

検査の際は、上半身のみ専用の検査着に更衣していただきます。
そのため、ワンピースなどは避けて、上半身のみの更衣が可能な服装でご来院下さい。

X線TV装置

どのような特徴があるの?

X線を用いて、撮影のみならず透視を行うことができます。
透視によりリアルタイムの体内動態を動画のように見ることができます。
また、造影剤を使用することで、他の検査では観察しづらい臓器の形態や機能を観察できます。
装置付属のベッド上で随時体勢を変えていただく検査や、麻酔をかけて行う検査など様々です。

どのような検査があるの?

当院で行っている検査の一例を以下に挙げます。

検査名検査内容
胃透視(MDL)バリウム製剤を用いて、食道や胃の様子を観察する。
内視鏡的逆行性胆道膵管造影(ERCP)内視鏡とカテーテル(細い管)を用いて、胆管や膵管の状態を観察する。
イレウスチューブ挿入術腸閉塞に対し、イレウスチューブという吸引チューブを鼻から挿入し、拡張した腸管の減圧を行う。
嚥下造影(VF)造影剤入り検査食を嚥下することで、その流れと貯留状態、嚥下関与器官の動きを観察・評価する。

検査に要する時間は?

検査にもよりますが、概ね30分程度です。

検査を受けるにあたり注意することは?

妊娠中またはその可能性がある方は、事前にスタッフへお申し出ください。

血管撮影装置

どのような特徴があるの?

X線を照射しながら造影剤を使用することで、血管の走行や状態をリアルタイムで観察できます。
血管の形状や詰まりの有無が分かるだけではなく、くも膜下出血の原因の一つである動脈瘤も詳細に診断することができます。
また、診断だけではなく、血管狭窄部位や動脈瘤に対してステント・クリップ・コイル等による治療も行っています。

検査に要する時間は?

診断のための検査は、1時間程度かかります。
治療の場合は、手技により2~4時間程度かかります。

検査を受けるにあたり注意することは?

妊娠中またはその可能性がある方は、事前にスタッフへお申し出ください。
検査及び治療は、いずれも一泊以上の入院が必要となりますのでご了承ください。

骨塩定量

どのような特徴があるの?

この検査では、いわゆる骨密度を測定することができます。
骨密度とは、骨の強さや詰まり具合を示す尺度の一つです。
骨密度が低下すると骨が弱くなり、骨粗鬆症と呼ばれる骨折しやすくなる病気につながります。
骨粗鬆症は自覚症状が乏しく、気付いたときには病状がかなり進行していたということも少なくありません。
定期的に骨塩定量検査を受けられることをおすすめします。

検査に要する時間は?

当院では、手のレントゲン写真を1枚撮影するだけで検査できます。
検査時間は数分ですので、負担も少なく手軽に受けていただけます。

検査を受けるにあたり注意することは?

妊娠中またはその可能性がある方は、事前にスタッフへお申し出ください。

検査結果が出るまでに最短でも1週間ほどお時間をいただきますので、ご了承ください。

両手を広げた状態でレントゲン写真を撮影します。
正確に評価するため、ネイルや指輪等のアクセサリーを外していただきます。