コストパフォーマンス(コスパ)=費用対効果について年始に考える
2025年新年おめでとうございます。 当院のインフルエンザ出張サービスは11月~12月上旬の恒例行事になり、今年で10年になります。職場へ事務、看護師、医師が出かけて多い時は100人以上接種することもあります。職場の方と親しくなり、当院の検診、人間ドックを受けて頂いていますが、県内の大きな会社はドックに来て頂いても、検診はバス検診を選ばれているのが実情です。検診バスは1台、胸写が出来る車で6,000万円、中古でも3,000万円費用はかかりますが、福岡県内から来ている会社は1件7,150円代格安で、競合する事業者が県内に8社ありますから価格競争も熾烈でしょう。ちなみに当院は8,250円です。コスパを考えるとバス検診には敵いません。人間ドック、脳ドックで勝負するしかありません。当初脳ドックは未破裂脳動脈瘤、無症候性脳梗塞や脳腫瘍が発見されることがありましたが、最近は認知症の心配をされて脳ドックを受診される方が増えています。
そこで11月17日当院で5年ぶりに開催した病院祭で脳年齢を測定する企画をしました。入場者は577人、タブレット端末で脳年齢のテストを受けた方が53人、QRコードを読み込んでスマホで受けた方が5人と計58人受けて頂き、年齢の中央値が52才でした。私が予想していた以上の参加者数で、Aiで海馬の体積とテストの結果から脳年齢を測定するオプションを脳ドックに追加を今後検討しています。これも他病院と比較して当院にとってのコスパを考えて値段設定をします。
また、病院祭では事前に患者さんにHP、インスタグラム、掲示、チラシでLineへの登録参加を呼びかけました。約60人が登録され、祭の案内、祭後のアンケートを行いました。Lineに参加されていない方には会場にQRコードを掲示してGoogleフォームでアンケートをお願いしました。ITをうまく利用してアンケートの結果から今年の病院祭の課題と展望が見えてきました。
コロナ禍で看護師の負担軽減を図る目的で始めたスマホ問診、外来診察室初診の方へのタブレット問診を開始して2年4か月経過しました。発熱外来の受診者が少なくなってきましたから、このシステムのコスパを考えて今後も継続するのか検討します。ただし、電子カルテに慣れてしまうと紙カルテに不便を感じるのと同じように、便利なシステムに慣れてしまうと元の問診スタイルに戻すには抵抗があります。
ITを駆使して便利さ、職員の負担軽減を図ることも大切ですが、民間病院である以上、コスパは常に意識していることです。今年も徳洲会病院をよろしくお願いします。
2024年(令和7年)1月院長 鬼塚 正成