ご挨拶
当院は、心療内科・精神科を有する救急病院として、長崎の救急医療の一端を担ってまいりました。
身体疾患や外傷の急性期で救急入院された患者さまの中には、こころや精神面の不調・変調を伴われる方も少なくありません。たとえば、身体的ストレスや環境の変化などによって、時間や場所、状況が把握しづらくなり混乱してしまう「せん妄」はその代表的な例です。また、突然訪れる状況の変化により落ち込んだり、今まで経験したことのないような不安に襲われたりすることも、決して珍しくありません。
ご高齢の方では、物忘れや注意力の散漫によるケガや体調不良で入院となり、その後の入院生活のなかで認知症状が進行し、治療や病棟生活への適応が難しくなるケースも見受けられます。
このように、さまざまな心理的・精神的不調で適切な入院治療に支障が生じる時には、当科が診療に関わり、入院中の患者さまの回復をサポートさせていただいております。一方で、当院は地域の救急医療をになう救急病院ですが、精神科病院のような閉鎖病棟・保護室等の環境がなく、看護体制も身体救急医療のものとなっており、現在のところ、精神疾患治療を主たる目的としての入院については、基本的にお受けしておりません。何卒ご理解のほどよろしくお願いいたします。