院長の言葉

2019年の新年に寄せて

2019年の新年を迎え、2年後の病院新築移転に向けて、少しずつ準備が進んでいます。
移転先の長与町は、日本医師会JMAP(地域医療提供システム)のデータによると、人口増減率が0.03%、65歳以上の高齢化率が23%(長崎市が29%)で、現在の滑石地区の30%と比べても、若年層の多い地区です。

医療資源に関しては、長与町は人口10万人あたりの一般病床が106床で全国平均の695床に比べると、極端に病床数が足りません。団塊の世代が75歳以上となる2025年に向けて、厚生労働省が目指している地域包括ケアの確立に向けて中学校区内、歩いて30分の距離で、発病から看取りまで地域で完結を目指していることを考えると、長与町は最初の時点で充足されていると言えません。

それに比べ、長崎市と時津町の病床数は全国平均を上回り、病床過剰地域です。そのため長与町民は、急病時は長崎市内か時津町の病院に入院するしかありません。交通手段が限られている高齢者にとっては、とても不便です。

生命を安心して預けられる病院を目指して

徳洲会病院の移転予定地から半径2km以内には急性期病院が一つもありません。
我々が移転することで、長与町の方には便利になり、周辺の開業医の先生方とも連携して地域包括ケアの役割分担をきちんと決めて臨めば、我々の将来は明るいものとなるはずです。
現在、来院していただいている近隣の地域住民の皆さんにとって、徳洲会病院は遠くなっていく存在と感じられるかもしれません。距離的には、現在の場所から北東3kmに位置していますが、巡回バスを運行する予定にしていますので、ぜひご利用ください。

ここ数年、働き方改革が話題となり、救急病院である当院も、例外なく職員の働き方改革に着手しています。全国組織の徳洲会本部の号令で職員の勤務体系には最新の配慮をして、働きやすい職場作りに力を入れています。

平成の時代が終わり、新しい時代を迎えるにあたり、これからも敷居が低く、「生命を安心して預けられる病院」を目指して徳洲会病院は今年も邁進します。
皆さんにとって良い年となりますように。

2019年1月院長 鬼塚 正成