新年のご挨拶

長崎北徳洲会病院 院長鬼塚 正成

中村 哲 先生が亡くなられてから3年経過しました。アメリカ軍が撤退して混乱が続くアフガニスタンでペシャワール会の現地での活動は大変だろうと想像出来ます。中村先生は生前、帰国すると福岡県八女郡広川町にある馬場病院で神経内科医として外来診療をされていました。私は隣の脳外科外来で週1回外来をしていましたので時々お会いする機会がありました。馬場院長は中村先生に経済的な支援をされていましたが、これを公で語ることはありませんでした。私がこの件について直接質問すると馬場先生は、馬鹿息子がもう1人居ると思ってます、と笑って答えられました。馬場先生は、なかなか肝のすわった豪快な方で、ご高齢ですが今でも現役の医師です。

2022年2月にロシアのウクライナ侵攻から暗いニュースが続いています。ウクライナチャリティーコンサートの案内を年末に病院内に掲示しましたが、電気がない寒い冬を迎えながらロシアとの戦闘に明け暮れるウクライナの方々に我々が出来ること、日本人が出来ることは経済的な支援しかありません。出来ることから少しずつでいいので我々の気持ちを伝えていきたいと思います。

さて、色々あった2022年でしたが、コロナ禍で3年が経過しオンラインで面談、会議が日常当たり前になり、医療にも新しい風が吹きました。昨年8月末から当院では発熱外来でスマホ問診を導入し、11月からは外来で初診の方にタブレット問診を導入しました。今年2月中旬からはオンライン診療を開始する予定です。各家庭にあるコロナ抗原検査キットとスマートホンがあればドライブスルーを利用しなくとも、オンラインで診療が可能となります。ただし、オンライン診療は患者さんの理解の上で患者の受診を支援する診療形態ですから、医療者側は通常の対面診療と同様かそれ以上の時間と準備が必要です。現在、すべての外来でオンライン診療が出来るように準備をしています。スマートホンにLineが入っていれば患者さん側は特別にアプリをインストールする必要はありませんが、自分であることを証明する写真付きのIDが必要となります。医師と患者さんが各々、IDを確認してからオンライン診療は開始します。

2021年5月に長与町に新築移転してから、西彼杵郡、西海市、長崎市から患者さんが多数当院に来て頂き、我々は平和なうちに新年を迎えることが出来ました。患者さんのニーズに合った診療を心掛けて、新しい事に挑戦していきます。2023年も長崎北徳洲会病院を応援よろしくお願いします。

2023年(令和5年)1月院長 鬼塚 正成