院長の言葉

新型コロナで自らこころがけたこと

「生活習慣病」の予防は免疫力アップにつながる

緊急事態制限が発令されている間、外出を控え、マスクが生活必需品になり、社会全体がオンライン化の方向へ一気に進みました。
コロナ太りと称される肥満化の動き、これに陥ってしまった方も多かったのではないでしょうか?

私は1年前、職場でメタボリックシンドロームに該当し、管理栄養士、保健師から指導を受けました。当時、変形性股関節症で、歩くと痛みがあり、運動不足にもなっていましたし、ストレスで間食が多く、体重が80Kgあり、HDLコレステロールは36と低く、脳梗塞や心筋梗塞を起こしてもおかしくない状態だったかもしれません。
人工股関節術後、痩せて股関節への負担を減らしたかった私はスポーツジムに入り、無料アプリを使い、摂取カロリーと消費カロリーを計算し始めました。朝は野菜が不足しがちです。サラダやサンドウィッチを作る時間がないため、代わりに野菜ジュースを摂るように栄養士から指導を受けました。タンパク質は前日から準備して冷蔵庫に保存していたゆで卵か魚肉ソーセージ、炭水化物は米飯かパンを食べて、朝は約400~500Kcal。昼は職員食で患者さんと同じメニューの食事ですから約600Kcal。食事はスマホで写真に撮ってAIがカロリー計算してくれますから、夕食は700~800Kcalを目安にしました。
緊急事態宣言前には体重が70㎏まで減量できましたが、コロナ禍でジムが臨時休業してしまい、運動不足が懸念されました。自宅で動画を視て筋力トレーニングを考えましたが、全くしません。むしろ、安易な方向へ流れてしまい、Amazonプライム(月500円で映画、音楽が無料配信)で洋画、アメリカのテレビ番組を視てしまいました。

自宅から病院までは歩けば1時間、約8千歩かかりますが、子供の送迎をしなくていい環境になりましたから、思い切って歩いてみることにしました。厚生労働省が脳卒中予防のため、成人男性に勧める1日の歩数は6千~7千歩以上ですから、朝の通勤だけで、それはクリアしています。病院内では平均4千~5千歩ほど歩きますが、病棟の看護師さんは私の2倍は院内を歩いています。コロナ禍で自粛期間中も1日2万歩も歩けたことで、体重も70Kgをキープできました。
それにしても、術前は1日7千歩が限界でしたから、人工股関節術後、倍以上歩いても痛みが出ないことは嬉しいです。HDLは57まで改善、体重と腹囲も減少、先日の面談でメタボは脱却したと判定され、保健指導が終了しました。

新型コロナ感染症で日本中が緊張状態にあった数ヵ月、日本は欧米諸国に比べて低い死亡率でした。この一つの要因として肥満者が少なかったことを挙げる説があります。
確かにそれは一因としてあるかもしれません。肥満にならないように努力することは生活習慣病予防になりますから、免疫力を落とさない、感染しても重症化しにくくなります。
肥満予防には自身の摂取カロリー、消費カロリーがどの程度かを知り、今の健康状態を把握しておくことが重要です。

健診結果はスマホで確認 健康管理がさらに前進へ

4月から徳洲会グループ内で職員向けに健診結果をスマートフォンで見られるシステムを導入して実験しています。
これがうまくいけば、健診のデータをスマホに入れて持ち歩き、かかりつけ医と相談して健康管理が出来る時代が、もうすぐそこまで来ています。

2021年5月に当院は長与町に新築移転を計画していますが、長与町は町民の歩数に応じてポイント制を導入し、健康づくりに熱心な自治体です。
歩数がスマホに入って消費カロリーが分かり、健診結果、医院や病院での血圧測定などのデータも入ってくれば、1台のスマホで個人の情報が統一化され、健康管理がレベルアップしてくるのではないかと私は期待しています。

新型コロナ感染症の流行以降、自己管理能力がますます問われている現代において、オンラインで情報管理、健康データの一元化が図れたら素晴らしいです。職員一同、皆で頑張ります。
これからも長崎北徳洲会病院をよろしくお願いします。

2020年8月院長 鬼塚 正成